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WordPressのステージング環境で更新を試す方法|本番の前にどこまで確かめるか

WordPressのステージング環境の作り方を、サーバーのステージング機能、プラグイン、手作業でのコピーに分けて説明します。作ったあとに検索エンジンとメール送信を止める設定、本番の前にどの画面と機能まで確かめるかの目安もまとめました。

WordPressのステージング環境は、本番サイトのファイルとデータベースをコピーして別のURLで動かす確認用のサイトで、サーバーのステージング機能、WP STAGINGのようなプラグイン、手作業のコピーのどれかで作れます。作ったらまず検索エンジンとメール送信を止め、プラグインやWordPress本体の更新をこちらで試してから本番を更新します。確かめる範囲は全ページではなく、トップページ、よく見られる記事、問い合わせフォームのように、壊れたら困る場所に絞ります。

この記事は、取引先のサイトを更新したら表示が崩れていて、顧客から連絡を受けて気づいた、という事態を避けたい保守担当者向けです。

ステージング環境は本番の「写し」

ステージング環境は、本番と同じテーマ、同じプラグイン、同じ記事が入ったもうひとつのWordPressです。違うのはURLだけで、たとえば本番が https://example.com なら、ステージングは https://staging.example.com や https://example.com/staging/ のような別のアドレスで動きます。

本番のコピーなので、ここでプラグインを更新して画面が崩れても、本番の閲覧者には何も起きません。崩れた原因を落ち着いて調べられて、直し方が分かってから本番を触れる、というのがステージングを用意するいちばんの理由です。

逆に言うと、ステージングが本番と違う状態になっていると、試した意味が薄れます。半年前にコピーしたきりのステージングでは、プラグインの組み合わせもPHPのバージョンも本番とずれているかもしれません。更新を試す前に、本番からコピーし直すのが基本です。

作り方は3通りある

サーバーのステージング機能を使う

契約しているレンタルサーバーにステージング機能があれば、それがいちばん手軽です。サーバーの管理画面からボタン操作で本番のコピーを作れて、会社によっては確認が終わった変更を本番へ反映する機能もあります。機能の有無や、反映できる範囲(ファイルだけか、データベースもか)はサーバー会社ごとに違うので、契約中のサーバーのマニュアルで「ステージング」を探してみてください。

プラグインで作る

サーバーに機能がない場合は、プラグインで作れます。よく使われているWP STAGINGは、本番サイトの中にステージング用のコピーを作るプラグインです。公式サイトの比較表では、ステージングを作るところまでは無料版でできて、ステージングで加えた変更を本番に反映する「Push」は有料のPro版の機能になっています(2026年10月23日にWP STAGINGの機能比較で確認)。

更新の確認に使うだけなら、無料版で足ります。ステージングで更新を試して問題がなければ、本番は本番の管理画面で同じ更新をかければよいからです。

手作業でコピーする

サーバーにSSHで入れるなら、ファイルとデータベースを別のディレクトリやサブドメインに手作業でコピーする方法もあります。手間はかかりますが、コピーの中身を自分で把握できるので、何をどこに置いたかが分かりやすくなります。

ここで注意したいのは、データベース内のURLです。コピーしたままだと、ステージングのページを開いても画像やリンクが本番のURLを指したままになります。URLの置き換えには、WP-CLIの wp search-replace のような専用の手段を使います。データベースのファイルをテキストエディタで一括置換すると、テーマやウィジェットの設定が壊れることがあると、WordPressの公式ドキュメントでも注意されています。

作ったら最初に止めておくこと

ステージングは本番のコピーなので、本番でやっていることを、そのままステージングでもやろうとします。作った直後に、次の2つは止めておきます。

検索エンジンに載らないようにする

ステージングが検索結果に出ると、本番と同じ内容のページがもうひとつ公開されている状態になります。管理画面の「設定」→「表示設定」にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れます。ただ、これは検索エンジンへのお願いで、守るかどうかは検索エンジン次第です。サーバーの管理画面でBasic認証(IDとパスワードを聞かれる画面)をかけておくほうが確実です。

メールが顧客に届かないようにする

データベースをコピーすると、問い合わせフォームの通知先や、ネットショップの注文メールの設定も一緒に移ります。ステージングでフォームの送信を試したら、本番と同じ担当者に問い合わせメールが届いた、ということが起こりえます。会員サイトやネットショップのように顧客の情報が入ったサイトでは、メール送信を止めるプラグインを入れるか、ステージングでは送信を試さないと決めておきます。

ついでに、wp-config.php に define( 'WP_ENVIRONMENT_TYPE', 'staging' ); と書いておくと、プラグインの側で「ここはステージングだ」と判断できるようになります。WordPress 5.5から使える設定で、値は local、development、staging、production のどれかです(wp_get_environment_type())。対応しているプラグインはまだ一部なので、これだけで安心はできませんが、書いておいて損はありません。

本番の前にどこまで確かめるか

ステージングでプラグインを更新したら、何を見れば「本番も更新してよい」と言えるのか。全ページを開いて回るのは現実的ではないので、壊れたときに困る順に絞ります。

  1. トップページと、アクセスの多い記事やページを数本開き、レイアウトが崩れていないか
  2. 管理画面にログインできて、投稿の編集画面が開くか
  3. 問い合わせフォームが表示され、送信ボタンを押して完了画面まで進むか(メール送信を止めていない場合は送信まではしない)
  4. ネットショップなら商品ページとカート、会員サイトならログイン画面
  5. 「ツール」→「サイトヘルス」に、更新前にはなかった問題が出ていないか

PHPのエラーは画面に出ないことも多いので、ステージングでは wp-config.php で WP_DEBUG と WP_DEBUG_LOG を有効にして、更新後に wp-content/debug.log を見ておくと見落としが減ります。

どのプラグインを更新するかを決める段階の確認は、次の記事にまとめています。

プラグイン更新前の確認チェックリスト関連記事

ステージングでも防げないこと

ステージングで問題がなくても、本番で壊れることはあります。本番にしかないデータ(ステージングを作ったあとに入った注文や記事)、本番だけのサーバー設定、本番のキャッシュなどは、ステージングでは再現できないからです。なので本番を更新する前には、ステージングがあってもバックアップを取り、更新後は本番でも同じ確認をもう一度します。

WordPressバックアップがあるのに復元できないときの確認ポイント関連記事

サイトが数件なら、この「ステージングで試して、本番でもう一度確かめる」流れを毎月回せます。10サイトを超えてくると、ステージングをコピーし直すだけで手間がふくらみます。NexraOneのSafe Updateは、本番の更新前にデータベースと更新対象のバックアップを取り、更新後にトップページとREST APIへ外からアクセスして応答を確かめます。更新前は正常だった項目が更新後に通らなくなった場合は、更新前の状態に戻します。フォームや決済までは確かめないので、ステージングの代わりにはなりませんが、更新後の最初の確認を毎回同じ手順で回すことはできます。

WordPress更新を安全に自動化するSafe Updateとは?仕組みを解説関連記事

参考にした公式情報

よくある質問

WordPressのステージング環境とは何ですか?
本番サイトのファイルとデータベースを丸ごとコピーして、別のURLで動かす確認用のサイトです。プラグインやWordPress本体の更新を先にこちらで試し、表示や機能に問題がないことを確かめてから本番を更新します。
ステージング環境はどうやって作りますか?
サーバーにステージング機能があればそれを使うのが手軽です。なければWP STAGINGのようなプラグインで本番サイトの中にコピーを作るか、ファイルとデータベースを手作業で別のディレクトリやサブドメインにコピーします。手作業のときは、データベース内のURLをWP-CLIの search-replace などで置き換えます。
ステージング環境を作ったら、最初に何を設定すればいいですか?
検索エンジンに載らないようにすることと、メールが顧客に届かないようにすることです。「設定」→「表示設定」で「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れ、できればBasic認証もかけます。データベースをコピーすると、問い合わせフォームやネットショップのメール送信の設定もそのまま移ります。
WP STAGINGの無料版で、ステージングの変更を本番に反映できますか?
WP STAGINGの公式サイトでは、ステージングから本番への反映(Push)は有料のPro版の機能とされています。無料版ではステージングを作って試すところまでなので、確認が終わったら本番は本番で更新します。

※本記事では、公開されている事例や保守現場での知見をもとに、実務で確認すべきポイントを整理しています。

この記事を書いた人

uehiro
uehiroWebアプリケーションエンジニア

2019年よりWeb制作・システム開発に従事。WordPress・PowerCMS・Movable TypeのCMS構築・運用支援のほか、Next.js・Astro・Nuxt.jsを活用したヘッドレスCMS・モダンWeb開発に携わる。約150件の制作・運用支援実績を持ち、現在はWordPress監視サービス「NexraOne」の開発・運営を担当。

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